母の統合失調症?+何か(1)
母は30代後半の夏、私(当時11歳)と二人で旅行中に突然、錯乱というかせん妄を起こした。
(私にはその前後の記憶がない。今年、自分が似た体験をして、当時のことを考えられるようになってきた。)
発症(正確には急性増悪)の1年前、転居をしていたが、きっかけは隣人が家を見張っているというもので、この時点では誰も母の話を疑わなかった。
前の母は、どこにでもいるような主婦だった。プライドが高く社交的で、料理や習字も好きだった。一方、運動神経が悪く、筋力が弱く、道具や機械がうまく使えなかった。
隣人関係の訴えと同じ頃、急に具合が悪くなって救急車を呼んだことがあり、横になることが増えた。貧血、自律神経失調症、(早期の)更年期などと言われ、滋養強壮剤を飲んでいた。
そんな中、家族旅行に急きょ父が行けなくなったのだ。電車で4時間かかる所。母にはプレッシャーだったと思う。
異変は、朝突然だった。
「○○さん(知人でもない人)が亡くなった。行かなくちゃ」
夢と現実が混ざったことをつぶやき、呼びかけにはぼんやりして答えない。促せばゆっくり歩く。母のこんな姿を見るのは初めてで心配した。
どうやってかわからないが、2時間位かけて、父や祖父と合流できる場所まで誘導した。
そこから自宅まで、私は母に近づけなかった。ただひどく取り乱し、死にたがっているのはわかった。同意なき入院となったようだ。
まだ精神分裂病と呼ばれていた時代で、精神病院の役割も今とは少し違った。
母は病識がなかったので、この出来事以来、親族と私に根強い恨みを持った。
2~3ヶ月入院した後、半年父の生家で療養した。母方の祖母は早く病死し、実家には義母がいたから甘えられなかったのだ。
自宅に戻った母は、一日じゅう横になって起きられなかった。目の焦点が合わず、無表情になり、「引っ越さなければよかった。そうすればこんなことに……」とつぶやき続けていた。
1年ほどで家事ができるほどになった。ところが治療を拒否してしまい、また症状が強まった。
幻聴、被害妄想、不眠、希死念慮により、数ヶ月の医療保護入院→小康状態、というのを数回繰り返した(その10年間には私も異常を来し、母と葛藤した)。
主病名はいまだ本人に知らされていない。母は当時鉄格子のついた病棟に閉じ込められたことを恨み、私と父を信用していなかった。
だから再発時に受診をさせるのは、家族にとって難題だった。「父の言うことがおかしいから一緒に心療内科に行って」と頼んだ時もあった。
(後半へ)
« 人生で一番合わない職場(4) | トップページ | 時間感覚喪失中 »
「医療・カウンセリング」カテゴリの記事
- 母が動けなくなったこと(悪性症候群?)(2023.05.24)
- コンサータ、ストラテラ調整後の体調(2023.04.19)
- コンサータ増薬で逆効果??(2023.03.26)
- 2度目のコンサータ/勝手に動く自分(2023.03.06)
- 運動、腸活、GABA活(2023.01.26)
「過去や家族のこと」カテゴリの記事
- 母が動けなくなったこと(悪性症候群?)(2023.05.24)
- 母の統合失調症?+何か(1.5)(2023.03.14)
- 2022年は精神的転機だった(2022.12.31)
- 新たな症状(不安)とフラッシュバック・退行のようなもの(2022.08.09)
- 私の悩みは(Twitterより)(2022.06.09)