« 2021年12月 | トップページ | 2022年3月 »

2022年2月

2022年2月22日 (火)

人生で一番合わない職場(2)

前回

仕事がなかなかうまく行かない。

重労働や手先作業は、何十回、何百回と繰り返すことで、神経もさすがに学習したようだ。求められるスピードには少しも近づいてないとはいえ。

……

いちばんできないのは、在庫数を見に行って必要な物品の数を見積もることだ。

理由はわからないけれど、最近

「順序、数字、記号、配置」

というような概念の理解力が壊れている。過去にはむしろ得意だった概念だ。

しかもセクション名が数字と記号でわかりにくい上、各セクションの造りが全く同じ。ところが物の配置や定数はまちまち、マニュアルや表示も合ってない。

そんなわけで毎回混乱し、間違え、遅くなる。

Photo

しかも落とす、ぶつかりそうになる、忘れる、迷子、のオンパレード。

あるいは、必要なもののイメージを心に浮かべながら移動し、先輩に伝える、その時、いつも違う品名を言ってしまう。

視覚と言葉とがリンクしないのだ。同じ理由で質問や報告も正しく通じない。

さらに体性感覚がおかしくて、やることが乱暴、がさつになる。

一番できなくなっていることを一番求められるから、毎日へとへとに疲れる。

Photo

「今日はどんなミスをしてどんな注意をされたっけ…」

思い出せない。昨日や先週の記憶と混同する。

「数が違うと言われたのはどのセクションだっけ…」

わからない。メモなんてとる時間ない。取れるようになった時にはもう覚えてない。

Photo

これでも、ストラテラを去年の二倍にして、鉄、ビタミン、安定剤も処方されている。

だけどほとんど、それらの効果を感じない。朝、休まずに行けていることくらいか。

原因もあれこれ考える。どれもあてはまりそうで、自分の中では特定できない。

少なくとも一昨年くらいはこんなじゃかった。間違いなく悪化している。

前は、Alexaにリスト追加を頼む間に、何を頼むかを忘れていた。

今は、「アレクサ、………」

その次の言葉が出てこない。

………

そのうち、解雇されてもおかしくないと思う。こんな状態じゃ、役に立たないもの。

ただ、これは本来の自分じゃない。この機能低下がいつまでも続くのか、もう元に戻らないのか、考えると不安になる。

続く

2022年2月18日 (金)

認知力の低下、そのしんどさとあがき

前回書いた、人生で一番合わない職場に移って数週間が経った。

業務は毎回ほとんど変わらないのに、どうしても覚えられないし、数字や記号を間違えてしまう。
上肢の筋肉痛、手指痛がずっと続いている。立てない時もある。

例によって証拠はないけれど、今までも大掃除や腕を上げ続ける作業の後にボケてしまったので、腕、肩と認知機能には何らかの関係があるように思える。

・・・・・・・・・・・・

前々回書いた、視覚の暴走はまだ続いている。

  • 自転車に乗っていて、車や人にぶつかりやすくなった
  • 眼を閉じると、まぶたの裏に光る無秩序な形が飛び回る
  • 気が付くと不要なものを手に持っている/持っていたはずのものがない

それから、

  • 人に話しかけられた時、言葉が数秒~数十秒間出なくなった(喚語困難)
  • 「行ってきます」といわれて「失礼しました」と答えるような、言葉選びの間違い(錯語)
  • 紙や硬貨のような細かいものを拾えなくなった(特に左手)

病変がないとすれば、パソコンのように、バックグラウンドの処理が多すぎて、必要な認識が遅くなっているのでは・・・・・・
と自分では考えている。

Photo_4

ここまで打って、頭の中がまたブランクになった。

前の部署で接していた、認知症初期のおばあさんがよく嘆いていた。
「頭の中が、おかしくて、つらいの。助けて。」
その気持ちが、今はとてもよくわかる。

 

自分が自分でなくなっている感じ。思ったはずなのに消えてしまう思考、

何をやっても言うことを聞かない口や手足。
そのしんどさはうまく言葉にしづらい。

 

だけど言葉にしなかったら、周りの人も専門家にも誰にも伝わらないまま、独りで苦しむだけだし、後々振り返ることもできなくなってしまう。

・・・・・・・・・・・・

 

ちなみに神経内科は11月にMRIを撮ったきり、行くのを忘れているうちにタイミングを見失った。精神科は予約を度忘れしてしまう上、行っても何を話すか忘れて無難なことしか言えない。

というわけで、医師に助けを求めることもできない。

 

・・・・・・・・・・・・・

幸い、私の心身の変調には波がある。
確定されていないけれど、突然うつに入るスイッチがある。

いちばんどん底の時は言葉も書けなくなるけれど、その波は今まで必ず、上に向いてきた。

だから今度も、頭のビジー状態が落ち着き、上に向くと信じている。

20210713_180356

良いこともあった。

なんと、週3~4回の肉体労働のおかげで腹筋が割れ始め、腕を曲げなくても力こぶがわかるようになったのだ・・・・・・

ささやかながら、継続は、何らかの形で力になっている。

2022年2月12日 (土)

人生で一番合わない職場(1)

こんなご時世、非正規とはいえ雇い先があるだけでも幸運なのかもしれない。

だけど、どうしても合わないという場合もある。

以下、新聞記事風に(ぼやかしあります)。

Photo_2

病棟で看護補助者のパートをしている40代のN子。7年前にADHDを主とする発達障害(神経発達症)と診断されて、投薬治療をしているが、職場には告げていない。以前より意欲的になった代わり、年々、物忘れや動作の遅れなどが進み、悩んでいる。

病棟の利用者は年齢を問わず、認知症や脳卒中の後遺症、高次脳機能障害などを抱えた人達だ。

学生時代、知覚心理学を学んだ彼女にとっては学びと触れ合いの場。苦手だった会話や介助もだんだん楽しみになった。民間の介護資格も取得し、この仕事をライフワークにしようかとも考えていた。

Photo_14

ところが、看護師資格をもつ上司は、N子の特性を快く思わなかった。

遅刻や欠勤はないし、業務の妨げになるようなミスもしていない。それでも端々に出る発達の偏りから、上司は彼女が安全で安心なサービスを提供できないと評価したのである。

N子が清掃や補充中心の業務に回されてしばらくした頃、職員が新型コロナウイルスに感染し始めた。オミクロン株のクラスターだ。

突然、感染症病棟と化した空間。食事は袋に入れて上げ下げし、ガウンや手袋の脱ぎ着も順序が決まっている。N子は他の職員と同じように動けず、何度も叱られた。

数日経って突然、彼女は部門の責任者に小さな倉庫へ連れて行かれた。「今までの部署は感染のリスクがあるから、しばらくこっちでお願いしたいの」と。

十分な説明も、検討の余地もなかった。

Photo_7

移った部署は二人体制。先輩は厳しいながらも親切で、気長に見守ってくれそうだ。

ところが業務内容が問題だった。決められた時間では到底終わらないような作業を、山のようにやらされるのである。

衣類・寝具等の分類と配布、延々と袋を閉じるだけの単純作業、軽装備での汚れ物処理、20キロ以上の荷物を次々持ち上げる重労働……。机も休む椅子もない。

マニュアルは在っても無いようなもので、曜日、場所によって例外が山ほどある。その例外が複雑ですぐには覚えられない。

しかも上からは、早く一人でやらせろ、残業はさせるな、などの指示が先輩に来たという。

Photo_18

N子はすぐに筋肉痛、神経痛、メモリオーバーになった。

前の部署のSNSグループには残っていたが、名簿からは自分の名前だけ消されていた。元上司は久々に会っても、一べつしただけで声もかけない。

「あ、要らないんだ」とN子は直感した。

家に帰ると筋肉やら神経やらが痛み、物を拾うこともできない。夜、横になると、脳裏に幻覚や幻聴が現れたりもする。

N子は暇さえあれば、自分の適性のことを考えた。

「いくら頑張ってもできないのは、私に障害や症状があるからなんだろうか。どうすれば苦手だらけの仕事についていけるんだろうか。」

他の職員が散らかした物品の後片付けをするのも彼女達の担当だ。マナーの良い職員は少ない。マニュアルが例外だらけなのも、他部署の要望に応じ続けた結果なのだろう。

先輩が一人勤務だった時は、時間に終わるはずのないノルマを、超過勤務をつけず、休み時間も惜しんで続け、管理側に改善を要望しても通らなかったという。

そこまでしなければならないとは。N子は強い憤りを感じた。

Photo_8

速く、正確に、大量に。世の中はその通りできる人ばかりではないのに、この職場はまるで、「劣る者は去れ、有能な者が残れば良い」と言わんばかりだ。

しかし、そのような旧態依然たるやり方が、いつまでも続くものだろうか。

N子は移った部署に腰を据えることを決め、体力や器用さを訓練で身に付けようと考えている。同時に、得意分野を活かせる資格試験の勉強を始めた。

それらは職場のためなどではなく、自分自身と、利用者のためにである。

続く

2022年2月 7日 (月)

DMNと白昼夢/視覚の暴走(?)

目を閉じて安静にすると、人がしゃべっているような声が聞こえてきて、おぼろげに人の姿や背景も見える。
だけど、実際の人やテレビの音は聞こえてるし、これは非現実であるというのもわかる。

「何だろう、これは」と思って目を開ける。すると、見聞きしていたものの内容をすっと忘れてしまう。

そんなことが日曜から5~6回。これまでも時々あったことだ。
まあいわゆる、白昼夢である。

・・・・・・・・

検索してたら、「デフォルトモードネットワーク(DMN)」というキーワードを見つけた。

一般向けな説明はこちら。

思い返せば、私は一日の中でこのDMNの時間がやたらと長い。
睡眠時に珍しい脳波が出るので、関係があるのか?

白昼夢が起こるのは、横になってDMN状態の時。以前は、横になると思考が止まって何も意識できなかった。

起きているのとも、眠っているのとも違う。
声は比較的はっきり聞こえるが、見えるものは輪郭があいまいで、異世界にいるかのよう。
内容は一度も記憶に残ったことがない。

夢と違うのは、自己意識が起きているから、いつでも中断できることだ。

000293_li

もし、これが開眼時も起こるようになり、夢だと認識できなくなったら、幻覚幻聴であり、母と同じ(自分も診断されたことがある)統合失調症とみなされる可能性がある。
あるいは、解離性障害(解離症)にも似ている。

ただ、もともと視覚優位性なせいか、たいてい映像がついてくるので、現実ではないとわかるのだ。

参考:脳内ネットワークの過剰な活動が統合失調症の症状に関与

008425_li

過剰な活動といえば、最近の自分は、どうも視覚系が暴走しているように思う。もともと暴走気味だったのが、「物を正しく扱ったり、探したり、丁寧に扱ったり、」がますます下手になった。

前回、左手の不器用改善について書いてから、体性感覚に注目したり、目をつぶって動作したりという試みを続けている。そのうち、だんだんこういう風に実感してきた。

「私の視覚情報処理は、他のモダリティによる処理よりもかなり速度が遅い」(仮)

例えば、
「はさみを取り上げようとして、手がぶつかって、落とした」
という場合、視覚情報を<認識>するより先に手が動いてしまう。手の動きもまた、目で認識するのが遅い。

ところが、こういった作業を目を閉じてやると、ずっと早く正確にできたのだ。

だとすると、WAIS-Ⅲ知能検査で処理速度が最も低く出たのは、運動神経だけでなく、視覚処理の遅さが絡んでいる可能性もある。
遅い=頭のリソースを多く割いているわけだ。

014037_li

その<視覚認識>とは具体的に、どういう脳内処理なのか??

そこまでは知識不足もあって、まだ確信的な文献にたどり着いていない。

例えば発達障害や精神疾患、過去に罹ったアルコール依存、などと、左右半球の関係や大脳辺縁系の働きとの因果関係を探っていけば、他の症状とも共通するヒントを見つけられるかもしれない。

何より私のMRIを、そこまで細かく読影できる専門家がいれば、話が早いのだけど、それは夢みたいな話だと思っている。

続く

2022年2月 2日 (水)

左手の深部感覚を取り戻せ

過去記事:左手に殺されるかもしれない

ずっとTwitterで左手の不器用さについて考えていて、ある時、はたと気づいた。

・・・

その日は生クリームがもりつけられたパンを左手に持って、右側のコンロを見ていた。

すると、左手がパンをくるっとひっくり返したのだ。

初めてじゃない。最近週に1度はあることだ。

なぜ?

床に落ちたクリームを見て思った。これは脳の深部感覚とか、固有(感)覚の問題ではないかと。

←手などがどの位置にあるか、どう動くか、みたいな知覚。

Photo_20191203124801

Switchのゲーム。慣れてないのもあるけれど、コントローラー左側のスティックで、行きたい方向にうまく動かせない。

フィットネスゲームで、見本の動きと同じ動きがどうしてもできない。

ピアノやパソコンは思い通り手指が動くから、整形外科的問題ではないはず。

視野も異常無し。半側空間無視もなし。

Photo_4

そんなこんなで、こう考えた。

"左手が今、何のためにどう動いてるか"という知覚が、うまくできていないのではないか。

じゃあ足はどうか、はよくわからないし、原因の裏付けもないものの、

取り急ぎ"左手がいま、どこで、何をしているか"、を積極的に感じてみることにした。それをしても、特に害があるわけではないし。

Photo_8

すると、さらに二つのことに気づいた。

一つは、左手で何かをする時、目を閉じた方がうまくいくこと。つかんでいる感覚も強い。

試しに、親指と他の指を順番にたたく体操をした時、目をつぶると難なくできても、目を開けてやるとたたく順や回数をすぐ間違えてしまう。(特に両手同時の時)

ただこれは、思い込みかもしれないので様子見。

・・・

もう一つは、自転車に乗ったり、単純作業をしたりしてる時、どんなに余計なことを考えていたか、どんなに手足の状態を顧みなかったか、ということ。

スポーツが、特に反射神経を使う競技が嫌いで、苦手だったというのも関係しているかもしれない。

苦手だと敬遠するし、敬遠し続けるともっと苦手になる。

その悪循環を断つため、これからはあえてそういったスポーツに挑戦したいし、普段の作業でも煩悩を追い出すようにしたい。

« 2021年12月 | トップページ | 2022年3月 »