今までと違う世界で生き延びる
今回のパンデミック。まさに歴史上の大戦争と同じく、世界の常識をひっくり返そうとしている。
考えてみれば、罹患者と間近で会わない限り移らないウイルスだ。アルコールやハイターで簡単に壊れる。インフルエンザと大きな違いはないのに、どうしてこんなに大騒ぎするの?と思う人もいるだろう。
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それは雨に似ている。雨は適度に降ったりやんだりすれば大した害はもたらさない。だけど、大量に長期間降り続けば、あちこちで堤防を越え、最悪の場合はダムが壊れて街中が水に浸かってしまう。そこでダムの水を適度に放流しないといけない。
いざ越水が始まってしまうと、誰もが助かる正解はない。水が少なくても多くても、どこかで被害は出てしまう。亡くなる人もいるだろう。そのバランスの調整が、専門家、政治家に委ねられている。今回で言えば、"外出制限による感染ピークずらし"という形で。
私達のような一般市民にできることは、持ち場の役割を果たしつつ、身の回りで起きていることを正しく知り、守るべき人を極力守ることだと思う。
ただ、不幸中の幸いもある。
大気汚染は明らかに減少した。交通事故や事件も減った。衛生観念が普及したおかげで、食中毒やインフルなども激減するはずだ。
世界中の人々が、健康について真剣に考え始めた。それは長い目で見ると必ず、失うもの以上の効果をもたらすと信じている。
だから、今はできるだけ多くの人に生き延びてほしい。無理して働いている人はなりふり構わず休んで欲しいし、鬱や不安に苛まれている人はメンタルクリニックに気軽に行って欲しい。お金のことは詳しくわからないけど、他国ではきちんと補償されることになっている。
自分も過去に失業したり、大事な人を失ったりして、何度か消えようと思った末、運よく生かされている。現代医療がなかったらこの場にいなかったかもしれない。
パンデミックという雨が小降りになるまでは、気が遠くなりそうな長さだけど、今までとは違う世界でとにかく生き延びよう。生き延びてから、色々なものを取り戻そう。