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2020年2月18日 (火)

思い込みの強い母に育てられ

母は神経の病気なのもあるけど、昔から本当に思い込みが強い。会話の7割は(大小の)思い込みである。

たいていのパターンは

「役所からこんな知らせが来てたよ。支給金がもらえるんだって」

「お金を払えだって?そんなの詐欺に違いない。」

「違うよ、この書類を出すと、○○金に上乗せしてお金を振り込まれるんだって」

「そんなことヘルパーさんは言ってなかった、怪しい。こないだもおかしな手紙が来たし、事務所に電話する」

そして

「電話の様子がおかしい。やっぱり詐欺だ」

などと、よけい思い込みを強めてしまう。

その代わり、私と違ってうっかりなくしたり、思い出せなかったりということはほとんどない。

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COVID-19、通称新型コロナウイルスのニュースに対する一部の人の反応が、まんま母と一緒で驚いた。

特に「○○は意図的に××しようとしている、メディアは隠蔽している」

という不確定情報を信じ込んだ人達の行動がどんどんエスカレートして、人を巻き込んでいる。

「大丈夫です」などと言おうものなら、「嘘だ」「何も知らないのか」「何かあったら責任とれ」と脅しに近い言葉が返ってくる。

今までも世紀末や大災害など、人を不安にさせるような出来事の時にネットでよく見かけた現象だ。

何より母が不安になるとそういう言動になる。根拠のない誤解を解くのは、根拠がないゆえ本当に難しい。
母には聞こえないものが聞こえてしまうからなおさらだ。

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少なくても、私が母に対してしてきたことは、事実を小出しにする、すぐに伝えないこと。隠蔽主義になってしまうんだけど、そうせざるを得ない場合もある。

例えば、「友達とけんかした」などと言えば相手の家に「電凸」してしまう人に、なかなかネガティブな話はしづらい。(ほしかったのは慰めであって報復ではない)

発症前からそうなので病気のせいとは言い難い。そんな母を安心させられるのは家族ではなく、「信じている人や機関からの情報」くらいだ。まあ、それは専門職の人や自治体だからよかったんだけど。

なので私は、相談とか愚痴とか、そういうことを母親にほとんど伝えてこなかったし、ネガティブな話をすることに(こう見えても)
罪悪感があるし、ついでに、なんとなく人の思い込みを見分けられる本能がある気がする。

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